数週間前ふと目にした瞬間に観ようと思い、その日のうちに観てきました。とても面白い映画でした。
正直ホラーは苦手なのですが、ハリーポッターが見れるなら平気なレベルで、いい塩梅の風味でした。
事前に見たコメントでは性的搾取問題について言及しているものもあったのですが、私はこの映画を観て最初にロックパンデモニウムという舞台を思い出しました。ロックパンデモニウムで描かれていた、昭和の芸能界隈での華やかな表とある種グロテスクな裏。ロックパンデモニウムで表現されていたそれと、ラストナイトインソーホーで表現されている60年代ロンドンソーホーの華やかな表とその影となる裏は同じ類のものであると考えます。
この映画もロックパンデモニウムもそれら裏の部分の問題について明確な意思表示やメッセージを表現しているわけではありません。おそらくどちらの監督も表現したかったのは熱狂的で華やかな表と不条理でグロテスクな裏の対比やその事象そのものだったのではないかと私は考えます。そしてどちらの作品も物語や演出、音楽などの巧みさを経て強烈な印象を観客に与えます。いろいろと考えさせられるのですが、纏まりません。
なにはともあれ私は監督のエドガーライトさんとサンディを演じたアニャ・テイラー=ジョイさんにすっかり心を奪われてしまいました。サンディが躍るシーン、とくに壊れていく精神と激しくなる踊りのシーンは素晴らしかったです。
まずはベイビードライバーを観てみようと思います。